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酔葉さん

明治時代、日本最古の桜の名所「桜川」の衰退を嘆き『櫻川事蹟考』を発刊、その啓蒙に尽力した偉大なる歌人石倉翠葉氏をリスペクトし、「桜川のサクラ」の再興に励む。
山桜をこよなく愛する桜川花の会顧問、桜川未来塾塾生。
座右の銘は「酒なくしてなんの己が桜かな」
桜川市地域ポータルサイト
2008年5月26日(月曜日)

桜の達人養成講座  崋錣ら育たない桜」

00.前説

せっかくなので、皆様にも桜についての理解を深めていただけるよ
う、桜の実生や園芸品種の桜の作り方など、数回に分けて解説して
みようかと思います。

これを知っていれば、来春「桜雑学王」として、お花見の場で注目を
浴びることが出来るかもしれません(笑

また、桜を知ることは他の樹木や植物全般を知ることにもつながり、
これまで植物に関心のなかったあなたも、これについて知識を得る
良いきっかけになるかもしれません。

あなたのこれからの「桜ライフ」の充実に、この講座がお役に立てれ
ば幸いでございます。

では、第1回目の『桜の達人養成講座』をお届けしまょう。
here we go!!

※このブログをご覧になる前に、是非さくらがわーるどゼミナール基礎
 コース「桜川のサクラ」第2章
もご覧下さい。

        
01.「実生」とは・・・

きゃっほー!!(※きゃっほー!についてはこちらを参照)

先日、磯部桜川公園で山桜の実生(みしょう)を拾い上げて来ました
酔葉でございます。

って書いても「実生って何?」という方が多いと思います。

「実生」とは種から発芽したばかりの植物の子どものことを指し、栽
培の場面で使う場合は種から発芽させて、新たな苗を作ることを言
います。

広義では、こうして種から育った植物全般を指すこともあります。

山桜の実生
山桜の実生(磯部桜川公園)

で、自分がそうだったから言うんですが、殆どの方は桜はこの実生
で(種から)育てものだと思っているんじゃないでしょうか?

「サクランボ」の中に入っているのはまさに種ですし、桜はもちろん種
から育ちます。

しかし、日本の桜の80%を占めると言われるソメイヨシノは、実は種か
ら育った桜ではない
のです。

千鳥ヶ淵のソメイヨシノ
千鳥ヶ淵のソメイヨシノ(2008/4/3)

植物について多少なりとも知識のある方なら、それが何故か理解
できると思いますが、何も知らない人からすれば種から育てたソメイ
ヨシノのがあると考えても不思議はないでしょう。

しかし、種から育ったソメイヨシノは、日本全国どこにもないのです。

「種から育てるのが面倒だから、バイオかなんかで増やしてるんでし
ょ?」

いえいえ、バイオ技術など開発される以前から、既にソメイヨシノは大量
に植樹されていましたし、単に大量生産のためだけに種から育てな
いというわけではないのです。

では、何故?

実は桜は、特定の他個体、他系統の株とでなければ有性生殖が
成立しない「自家不和合性」という性質を持っているからなのです。

02.「自家不和合性」とは・・・

わかりづらいのでもう少し簡単に解説してみます。

植物の花には雄しべと雌しべがあり、雄しべの先にある花粉が雌し
べに付くと受精が起こって子ども(種)が出来るのは皆さんご存知だ
と思います。

雄しべ雌しべのアップ
山桜の雄しべと雌しべ

よって、多くの植物では自分の雄しべと雌しべで受精できるため、
1本の植物からでも子孫を残せることになります。

しかし、桜は自分と違った遺伝子情報を持つ花粉でないと受精でき
ないのです。

これは決して特殊なことではなく、植物界でもかなり広く見られるも
ので、近親交雑を避け、集団の遺伝的多様性を保つための機構の
一つと言われています。

では、こうして自然交配した桜からは、どのような子どもが生まれる
かというと、それは人間と同じで1つとして同じ遺伝子のものはない
100本あれば100本の個性(花の形や大きさ、色も1本1本違う)を
持つ桜ということになります。

染井吉野アップ
ソメイヨシノの花

ところが、ソメイヨシノは青森のそれも、九州のそれも、もちろん私たち
の住む茨城のそれも、まったく同じ(DNAが一緒)なんですね。

調整池のソメイヨシノ
桜川市岩瀬地区のソメイヨシノ(2006/4/10)

ここまで書けば、皆様ももうおわかりだと思いますが、要するにソメイ
ヨシノという桜は「クローン」なのです。

03.染井吉野はクローン桜

最近、ほ乳類(ヒツジ)のクローンが誕生したことで注目を集めたこのクロ
ーン技術ですが、植物の世界では古くから挿し木などで利用されて
おり、メリクロン栽培として実用化もされていたりと、決して珍しいもの
ではありません。

隅田川堤のソメイヨシノ
隅田川堤のソメイヨシノ(2007/4/6)

ソメイヨシノという桜は、江戸時代末期に江戸の染井村(現在の豊島区
駒込)の植木職人が売り出した、エドヒガン系のコマツオトメとオオシマザクラ
の交配で生まれた園芸品種ですが、たった1本の原木から挿し木
や接ぎ木によって増やされ、現在に至っています。

おっと、ここでまた専門用語が出てきましたね。

「挿し木」とか「接ぎ木」…これもご存知ない方が多いでしょう。

と言っても、今日は既に「実生」や「自家不和合性」を勉強したばか
りですので、これらについての解説は次回に譲ることにしましょう。

そんなわけで、江戸末期に江戸の染井村で発売されたソメイヨシノは、
たった1本の原木から増やされ続け、それが今では日本全国の80
%を覆ってしまったというわけですから、これは凄いことです。

「東京にいても、天下に名の知れた吉野山の桜が見られる」と当初
は「吉野桜」の名で売り出され、これがヒットの要因になったとも言わ
れていますが、明治33年に混乱を避けるため「ソメイヨシノ」と正式に命
名されました。

「吉野桜」
靖国神社の植木市で売られていた「吉野桜」(2008/4/3)

日本の花見文化を語る時に、よくソメイヨシノ以前と以後という言葉が
使われますが、瞬く間に日本全土を覆い尽くしたソメイヨシノによって
日本人の桜花観は一変します。

これについてもじっくり語っていきたいところですが、先は長い。
いずれまたこの辺りについても触れましょう。

それでは、ごきげんよろしゅう。

酔葉


カテゴリー: - ug @ 15時52分39秒

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